ひとりのカルメン
今日の文章は自分自身Eテレに救われたから書いた。
中学校の体育館で見たカルメンは、ほとんどの友達は寝ていたが僕は目が離せなかった。
圧倒的発声。きらびやかな意識。規模は小さくても触れたことのない本物がそこにあった。
そこからEテレで深夜のオペラを毎週見ていた。
感想を共有できるような友達もいなかった。
だからこそ見ていた。共有できなくても表立って言わなくても、好きなものを見続けていたかった。
デザインあ だってそうだ。毎回一眼でわかるのに絶対に自分じゃ思いつけない、アイデアやデザインが出てくる。しかもそれらは枯れることなくどんどん新しくなっていく。その感動が好きだった。
元から音楽はジャズが好きだったし聴き馴染みもあったので、自然とN響クラシックも見た。
身の回りの植物の名前も覚えていった。
美しいと思うものを、声に出さずとも美しいと思っていいのだと知った。
さらにそれらがなぜ美しく、自分を惹きつけるのかということも理解できていくようになった。
だからこそ、Eテレにはなくなって欲しくない。