ちょっと遠くへ行きたい日
何も無い街を通る帰り道
いつも通りの街にも、小さな翡翠のかけらみたいに「光る何か」はないか目を凝らす。
街の中に自分を溶かし、居酒屋の赤い看板をストロボにして歩く。
少し幽体離脱してみると、夜の帳に学生服で佇む自分が笑えてくる。
表じゃタバコも酒も出来ないのに。
自分の全てをここに埋めて、このまま制服でどこか遠くまで行ってしまいたい。
この十字路を左に曲がれば家に着く。
その前に少し服屋でも見ていこう。
ガラスの向こうに佇む、何者でもないマネキンはガラスに映る僕に見えるけれど。
向こうが僕をみる前に、通り過ぎていつもの僕に戻ってみよう。
遠くに行くのはまた今度。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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