紙と布の城
部屋の掃除が面倒だ。
まぁたしかに掃除をすれば、幾分か空気が良くなった気もするし、物も探しやすいかもしれない。
でもそれに負けないくらいには、床に積み重ねた読み終わった論文達には愛着もあるし、うず高く引き出しの上に積まれた、洋服から気に入った1着を見つけるあれも、僕はとても好きだ。
だがしかし、僕の住むこの家は未だに民主化の波は来ていない。母を国王とする絶対王政が敷かれている。
国王の命令とあらば、いかに愛着の湧いたものでも掃除の過程で捨てねばならないものもある。泣いて馬謖を斬るというのはこの事か。と身にしみる。机の上のペットボトルも片付けよう。
片付けると以外といらないものがある気もするが、このガラクタだらけの城は、自分で築いたものだからどこに何があるかをしっかり把握しているし、片付けても20分後には元通りだ。
倒してはまた築くドミノのように、今日も作っては壊し、また築く。得てして諸行無常で、現状から動かない。
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