台風とお守り
「次に台風が来たならば、その雨に打たれて、風に吹かれて。台風を十分に感じた後にタトゥーを入れたい。」と思っている。
左の脇腹に、活字で。
自分の仕事を考えると、いささか非現実的で、心のどこかでは「まだ台風よ来るな」と思ってはいるが、「いっそのこと明日にでも来てくれ」と思っている自分もいる。
人生は到底予測不可能で、辛いことばかりが目につく。
幸せよりも困難の方が多く感じてしまうし、その困難を乗り越えるのはとても大変だ。
そんな時に、死ぬまで自分に寄り添ってくれるものが欲しい。
70歳で死んでも、27歳で死んでも。その時まで自分に寄り添ってくれるものが欲しい。
そもそもタトゥーも髪の色も個人の自由で、見た目で気分を害する人間なんて面白くない人間なので、僕は好きな髪色と全身にタトゥーを入れたいのだが、いかんせんそうもいかない。
髪は染まっていた方が気合が入るし、好きな服に合う髪型にしたい。
小さな願いも叶わない世の中で、反骨心と、自分の内側からゲボのように湧き出る感情を両天秤にかけながら、台風を祈りながら今日も生きていくしかない。