キレイな呪いのかけ方
僕はきっと人間だ。
それなりに、なるべく「いい人間」でいようとする人間だ。
コンビニに入店する時、後ろから人が入ってくればドアを抑えたりする。電車でおばあちゃんがいれば席を譲る。
しかし僕はそれ以上に捻くれているので、「何だこいつ」と思うことがある。僕は「いい人間でいようとする人間」であって、「いい人間」ではない。
例えば、トイレに入ったら紙がなかった時とか「前のやつは一生シャンプーとボディソープ間違えろ」と思ってしまう。あるいはコンビニで、目の前の人に最後の一個のツナマヨおにぎりを買われた時も、「この人牛蒡アレルギーになれば良いのに」とか思ってしまう。
わかっている。これが良くない癖だと言うことはわかっている。
しかし、どうしようもない性分として身についてしまっているのだ。
僕自身、人に心の中で呪いをかけたときには、「申し訳ないなぁ」と思っている。それはそうだ。トイレの人は許せないが、ツナマヨおじさんは何も悪くない。
この癖をそのままにしておくのも良くないと思い、最近はもうすこし優しい呪いをかけようと心がけている。シャンプーとボディソープは間違えると致命傷なので、最近は「シャンプーとトリートメント」を間違える呪いにした。
欲を言えば、太宰か誰かが書いていた、「好きな人に花言葉を教える」と言った文学的で耽美な呪いをかけたいが、捻くれた感性の鈍い僕には、「牛蒡アレルギー」を「レンコンアレルギー」に変えるのが限界そうだ。
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