変わらない。生み出し得ない。
図書館というものは非常に素晴らしい。
本が読める。
過ごしやすい。
トイレがある。
屋根がある。
無料だ。
僕には金もないし、職もない。職を探そうとすらしていない。
その現実から逃げるために今日も本を読む。
金はないので無料で図書館から12冊を二週間の期限で借りてくる。
二週間で12冊を借りても時間がなくて8冊くらいしか読めないこともある。というか12冊読めたことなんてない。
しかし毎回12冊借りなければならない。
最初の5冊くらいはどうでもいい本を選んでしまう。
制限までは遠いからだ。常に現実世界の自分と同じで、制限のない選び方をしてしまうのだ。
本当の勝負は余裕がなくなってきてからなのだ。
8月30日の夜11時頃から夏休みの宿題に手を付けるのだ。
実際には本を選んでいる余裕もないのに、切迫しているのは本を選ぶことである。と脳に錯覚させる。
今日1日が終わってしまうことに主眼を置き、人生を無駄にしていることに気がつかない人間である。
自己矛盾と内省だけで、なにも生み出さずに今日も本を選んでいる。
この本のページからはバニラの香りがするだとか。社会学者とミュージシャンの書く本は似ているだとか。
つまらないことに視点を置き、自分の本質的な学びからはかけ離れていく。
なにも生まない文章を毎日書き。
金にはならないと、金にするつもりもないのに嘆く。
そうして今日も本に心を溶かし、時間を溶かし。
いつもの毎日を続けながら。変わらないことに快感を感じている。